下肢静脈瘤

静脈瘤とは

下肢の静脈が太くて浮き出て見えるのが静脈瘤で、曲がりくねってとぐろを巻いています。
遺伝性があり、妊娠をきっかけとして生じることもあります。また、立ち仕事に従事する人に多く見られ、年をとるにつれて進行していきます。
心臓から出た血液は、動脈を通って身体の隅々までいきわたり、その後の下肢では皮膚の表面にある「表在静脈」から「穿通枝」を経由してもっと深い所を走る「深部静脈」に流れ込んで心臓に戻ります。この「静脈還流」は、上向きには流れても下へは流れない一方通行の流れをつくっている静脈の内側にある「弁」が大きな役目を果たしています。しかし、表在静脈と深部静脈を結ぶ穿通枝の弁が壊れて正常に働かないと、血液は逆流して下の方に溜まり、その結果、表在静脈は拡張さらには怒張し、静脈瘤へと進展します。

下肢静脈瘤症例 下肢静脈瘤症例

■ 症状

全く症状がないこともありますが、足がむくむ、だるい、重い、ほてるなどの症状がみられます。午後から夕方に症状が強くなることが特徴です。足の筋肉がつるといった「こむら返り」も生じやすく、さらに症状が進むと、湿疹、色素沈着、潰瘍などもできます。また、女性では、美容的な悩みの原因になります。

■ こんな方は静脈瘤かも?

  • 足の血管が浮き出ていて目立つ
  • 寝ているときによく足がつる、こむらかえりになる
  • 足が重い、だるい
  • 足がむくみやすい
  • くるぶしから先の皮膚が青黒くなっている
  • 足の湿疹、出血、潰瘍
  • 足のむずむず感、不快感

■ 治療

当院で行っているのは、弾力ストッキング、軟化術、レーザービーム治療です。

弾力ストッキングとは

血液が下腿に貯留しないよう静脈瘤の上から強く圧迫するもので、症状の改善はこれだけでも見られます。なお、自分にあった圧迫力、タイプ、サイズのものを着用することが大切であって、購入を希望されるのであれば遠慮せずご相談下さい。

硬化術とは

直接静脈瘤の中に薬(硬化剤)を注射して、静脈をペシャンコにする方法です。
つまり、硬化剤は静脈の内壁を癒着させる接着剤のようなものです。もちろん、身体には害はなく傷も残りません。また、硬化剤に要する時間は、1回が10~15分程度ですので気軽に行えますが、数回の治療を必要とします。

【フォーム硬化療法とは】

当院では、硬化剤を空気と混合して泡状(フォーム)にして注射を行う方法を採用しています。

泡状にすることで、静脈内側への接触面積が大きくなり、血液ですぐに洗い流されないため長期間静脈瘤内にとどまっています。薬剤そのままで行うよりも効果的で、再発が少ないとされています。

<メリット>

  • 治療が簡便、麻酔も不要
  • 治療時間が短時間(10~15分)

<デメリット>

●大きな静脈瘤には効果が弱い
●複数回の治療が必要な場合がある
●治療後圧迫が必要(弾力ストッキング2~4週間)
●治療後、血管炎、しこり、色素沈着などが発症することがあり、その回復には6~12カ月要することもある。

フォーム硬化療法が確立されて以来、さらに応用範囲が広くなり、従来であれば外科手術が必要だったような大きな静脈瘤もこの治療法によりコントロールできるようになったため、当院では全ての静脈瘤に対し、メスを全く使用せずに治療しています。

Vビームレーザー

あまりにも血管が細くて軟化治療ができないもの、あるいは軟化治療をした後に残った細い血管に対し、Vビームレザー治療を行っております。

■ 日頃気をつけることは?

日常生活で守ってほしいことは、弾力ストッキングを着用すると共に、長時間の立位を避け、夜寝る時は足を心臓より高くして休むなどです。しかし、弾力ストッキングはあくまで補助手段で、根治をのぞむならやはり、ストリッピング手術か硬化術になります。
小さい静脈瘤は硬化術の適応となりますが、大きな静脈瘤ではストリッピング手術硬化手術のどちらにするか迷うところです。確かに、ストリッピング手術はどんな大きな静脈瘤でも確実に治療できますが、たいそうな手術となるため迷われる方も多いを思います。
当院では、静脈瘤に対して、「硬化術」を行っていますので、静脈瘤でお悩みの方は遠慮せず気軽にご相談下さい。

料金

■ 弾力ストッキング ¥4,950
■ 下肢静脈瘤 硬化療法 
【保険適応(3割負担の場合)】
片肢 ¥15,000
両肢 ¥21,000
■ Vビームレーザー 
【保険適応(3割負担の場合)】
¥7,000~33,000

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