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2024.09.19

毛細血管拡張症は自力で治せる?治し方と皮膚科の治療法【医師監修】大西皮フ科形成外科医院

赤ら顔

小鼻や頬の赤みが消えない、血管が透けて見える。そんな毛細血管拡張症を、できれば自力で治したいと考える方は多くいらっしゃいます。本記事では、皮膚科・形成外科・美容皮膚科に対応する大西皮フ科形成外科医院の大西院長が、自力で治せるのかという結論から、赤みの原因、悪化を防ぐセルフケア、皮膚科での治療法と保険適用の条件までを解説します。

大西 勝 院長 【監修医師】
大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院

国立香川医科大学医学部を卒業。京都大学附属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科ほかを経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。皮膚科・形成外科・美容皮膚科を専門とし、赤ら顔・酒さの治療経験が豊富。
最終更新日:2026年7月 ※医療情報は定期的に見直しています
 

毛細血管拡張症とは?

毛細血管拡張症とは、皮膚の毛細血管が拡張したまま元に戻らなくなり、血管が透けて赤く見える状態です。炎症を伴わないのが特徴で、頬や小鼻の周りに症状が出やすくなります。

動脈と静脈をつなぐ毛細血管が広がると、血流が増えて肌が赤く見えます。血管の形が線状に透けて見えることもあります。正常な状態でも気温の変化や緊張、飲酒で毛細血管は一時的に拡張しますが、拡張したまま戻らず赤みが続くようになった状態が毛細血管拡張症です。

湿疹や脂漏性皮膚炎、ニキビと間違われることも少なくありません。塗り薬を続けても赤みが引かない場合は、そもそも疾患の見立てが違っている可能性があります。

赤ら顔・酒さとの違い

「赤ら顔」は症状を指す言葉で、毛細血管拡張症や酒さはその原因となる疾患名です。3つの関係を整理すると次のようになります。

名称位置づけ主な特徴
赤ら顔 顔が赤く見える状態の総称 毛細血管拡張症・酒さ・炎症後の赤みなど原因はさまざま
毛細血管拡張症 疾患名 毛細血管が拡張したまま戻らない。炎症を伴わず、血管が透けて見える
酒さ(しゅさ) 疾患名 赤み・ほてりに加え、赤いブツブツや膿疱を伴うことがある

酒さの初期段階は「毛細血管拡張型酒さ(第1度酒さ)」と呼ばれ、一過性の赤みとほてり感が主体で毛細血管の拡張も目立ちます。この段階は赤ら顔とも呼ばれ、毛細血管拡張症と重なる部分があります。どちらに当てはまるかは医師の診断が必要です。

毛細血管拡張症は自力で治せますか?

医師

毛細血管拡張症を自力で完治させることはできません。一度拡張した毛細血管は自然に元へ戻らず、セルフケアやスキンケアで消すこともできないためです。

市販薬でも同様です。毛細血管拡張症そのものを消す塗り薬や飲み薬は、現在のところありません。赤みに反応する色素レーザーなど、拡張した血管に直接アプローチする医療的な治療が必要になります。

ただし、自力でできることがまったくないわけではありません。セルフケアの役割は「治す」ことではなく「これ以上悪化させない」ことです。紫外線・寒暖差・摩擦といった血管を広げる刺激を避けることで、赤みの進行をコントロールしやすくなります。

セルフケアでできること・できないこと

項目自力(セルフケア)皮膚科での治療
拡張した血管を消す できない レーザー・光治療で改善が期待できる
赤みの悪化を防ぐ できる(刺激を避ける生活習慣) 治療と併せて指導を受けられる
赤みを一時的に隠す できる(メイクでのカバー)
原因疾患の見極め できない 診察で酒さ・湿疹などと鑑別できる
📌 結論:自力でできるのは「悪化を防ぐ」ことまでです。赤みそのものを改善したい場合は、皮膚科・美容皮膚科での治療が必要になります。

毛細血管拡張症の原因は?

毛細血管拡張症のはっきりした原因は解明されていませんが、遺伝や加齢による皮膚の薄さ、女性ホルモンの影響、寒暖差、アルコールや香辛料の刺激が関係すると考えられています。

  1. 遺伝・加齢による皮膚の薄さ
    生まれつき皮膚が薄い方は、普段から毛細血管が透けて赤ら顔になりやすい傾向があります。また加齢によって皮膚内の脂肪量が減ると、血管が透けて見えやすくなります。
  2. 女性ホルモンの影響
    毛細血管拡張症は女性に多い疾患です。妊娠中に顔や胸、首など広い範囲に現れることがあり、女性ホルモンが配合された薬の服用で似た症状が起こることもあります。この場合、薬の服用を中止することで症状が改善することもあります。
  3. 寒暖差
    毛細血管は気温の変化に合わせて拡張と収縮を繰り返し、体温を一定に保とうと働きます。寒暖差の激しい場所を行き来していると、この間に血管が拡張したまま戻らなくなることがあります。
  4. アルコールや香辛料の刺激
    アルコールや香辛料などの刺激物を摂取すると交感神経が刺激され、血流が増えて毛細血管が拡張しやすくなります。飲酒や辛い物の摂取が多い自覚がある方は、赤ら顔のリスクがあることを知っておきましょう。
  5. 長期間のステロイド外用
    湿疹やかぶれに対してステロイド外用薬を長期間使い続けると、皮膚が萎縮して血管が目立ちやすくなることがあります。自己判断で塗り続けず、医師の指示に従って使用してください。

毛細血管拡張症を悪化させるNG習慣は?

毛細血管拡張症を悪化させる最大の要因は、肌への摩擦と急激な温度変化です。血管を広げる刺激を繰り返すほど、赤みは目立ちやすくなります。

  • 洗顔やタオルで肌をゴシゴシ擦る(摩擦が刺激となり赤みが強くなる)
  • 冷水や熱いお湯で洗顔する(毛細血管の急激な収縮・拡張を招く)
  • 冷蔵庫で冷やした化粧水を使う(急激な温度変化は避ける)
  • 日焼け止めを塗らずに紫外線を浴び続ける
  • アルコールや香辛料を頻繁に摂取する
  • 長時間の入浴やサウナで顔をほてらせる
  • マスクや衣類による摩擦・ムレを放置する
  • 自己判断でステロイド外用薬を長期間塗り続ける

特に洗顔は毎日のことなので影響が大きくなります。人肌程度の温度のぬるま湯を使い、こすらないことを徹底するだけでも、赤みの出方は変わってきます。

自力でできる悪化を防ぐセルフケアは?

自力でできる対策の中心は、紫外線対策・擦らないスキンケア・血管を広げる刺激を避ける生活習慣の3つです。完治は望めませんが、赤みの進行を抑える効果が期待できます。

スキンケアで気をつけること

  • 化粧水は手のひらでよく温めてから、優しく押し当てるようになじませる
  • そのあと乳液やクリームでフタをして、水分を逃がさない
  • 洗顔は人肌程度のぬるま湯で、泡で包むように行う
  • タオルは押さえるように当て、擦らない
  • 刺激の強いピーリングやスクラブは避ける

紫外線対策・生活習慣で気をつけること

  • 日焼け止めを毎日使い、帽子や日傘も活用する
  • アルコールや香辛料の摂取を無理のない範囲で控える
  • 急な寒暖差を避け、屋外との出入りでは顔を冷やしすぎない
  • マスクの摩擦やムレを減らし、こまめに肌を清潔に保つ
  • 赤みが気になる場合はメイクでカバーし、擦らずに落とす

これらは赤みを消すためのケアではなく、拡張した血管をこれ以上増やさないための対策です。数カ月続けても赤みが変わらない、あるいは強くなっている場合は、セルフケアの限界と考えて受診をご検討ください。

毛細血管拡張症は皮膚科でどう治療しますか?

治療

毛細血管拡張症の治療は、赤みの原因であるヘモグロビンに反応する波長の光やレーザーを照射し、拡張した血管に働きかける方法が基本です。症状に応じて内服薬・外用薬も組み合わせます。

大西皮フ科形成外科医院では、赤ら顔・酒さ・毛細血管拡張症の治療に対応しています。当院で行っている主な治療は次のとおりです。

当院の治療(保険外治療)

VビームⅡレーザー

血管に特異的に反応する波長595nmの色素レーザーです。毛細血管内の酸化ヘモグロビンにだけ反応して拡張した血管に作用し、赤ら顔や毛細血管拡張症を改善します。赤あざ、赤いニキビ、ケロイドなど毛細血管の拡張を伴うさまざまな症状に用いられ、照射後の内出血のリスクが低くなった最新機種を導入しています。

▶ VビームⅡレーザーはこちら
ノーリス(I2PL・光治療)

赤みの原因であるヘモグロビンに反応する波長の光を照射し、拡張した毛細血管を熱で凝固させて血流を減らします。ぺたっとした赤みや細かい血管の拡張に効果的で、腫れやダウンタイムがほとんどありません。炎症後色素沈着などの副作用もほぼない点がメリットです。冷却せずに照射できるため、血管が拡張した状態でアプローチできます。

▶ ノーリス(光治療)はこちら
ポテンツァ

マイクロニードルを用いてRF(高周波)を照射する施術です。血管新生に関わるプロセスを抑制し、赤ら顔の赤みとほてり感を改善します。1カ月に1回のペースで複数回くり返して治療を行います。

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外用薬(アゼライン酸・イベルメクチンクリーム)

アゼライン酸は海外で長く使用されている外用薬で、酒さに対しても効果があるとされています。イベルメクチンクリームは毛包内のニキビダニに作用し、炎症を抑えることで酒さの紅斑を改善します。症状のタイプに応じて選択します。

当院の治療(保険治療)

酒さに伴う赤みやブツブツが強い場合は、保険診療の内服・外用薬から治療を始めることがあります。

  • 抗生剤の内服(ミノマイシン、ビブラマイシンなど):赤みや丘疹が強いときに有効です。
  • 漢方の内服(十味敗毒湯、桂枝茯苓丸料加薏苡仁、白虎加人参湯など)
  • ロゼックスゲル外用:酒さの治療薬として保険適用となっている外用薬です。1日2回患部に使用します。

▶ 酒さ・赤ら顔・毛細血管拡張症の治療はこちら

毛細血管拡張症の治療に保険は使えますか?

毛細血管がはっきりと目立つ場合、VビームⅡレーザーによる治療は保険適用となることがあります。酒さに対する内服薬・外用薬も保険診療の対象です。

一方、美容目的で顔全体の赤みやくすみを整えたい場合は自由診療となります。保険が使えるかどうかは症状の程度と診断によって決まるため、自己判断はできません。費用の目安についても、保険適用の有無で変わってきます。

治療保険適用の可否備考
VビームⅡレーザー 毛細血管が目立つ場合は適用となることがある 診断により判断します
抗生剤・漢方の内服 酒さの症状に対して適用 症状の程度に応じて処方します
ロゼックスゲル外用 酒さの治療薬として適用 1日2回患部に使用します
ノーリス・ポテンツァ 自由診療 美容目的の赤み改善に用います
アゼライン酸・イベルメクチンクリーム 自由診療 保険外の外用薬です

保険が使えるかどうかは診察が必要です。湿疹や脂漏性皮膚炎、ニキビと間違われているケースも少なくありません。まずは診断を受けることが、遠回りをしない一歩になります。

治療の効果はいつ出ますか?副作用は?

毛細血管拡張症の治療は、1回で終わることは少なく、複数回の照射を重ねながら改善を目指します。副作用は一時的な赤みや内出血が中心で、機器によってダウンタイムの程度が異なります。

治療照射の目安主な副作用・ダウンタイム
VビームⅡレーザー 複数回の照射を重ねる 一時的な赤み・腫れ、照射範囲が広い場合は数日腫れが出ることがある
ノーリス(I2PL) 複数回の照射を重ねる 腫れ・ダウンタイムはほとんどなく、色素沈着の副作用もほぼない
ポテンツァ 1カ月に1回のペースで複数回 一時的な赤み・軽度の腫れ

効果の出方や必要な回数には個人差があります。症状の程度によって異なるため、目安は診察時に医師がご説明します。

なお、治療で改善したあとも、紫外線対策や擦らないスキンケアを続けることが大切です。原因となる刺激を避けなければ、新たな毛細血管の拡張が起こる可能性があります。治療とセルフケアはセットで考えてください。

よくある質問(FAQ)

毛細血管拡張症は放置すると自然に治りますか?
自然に治ることはありません。拡張した毛細血管はそのままの状態で残り、紫外線や寒暖差などの刺激が続くと範囲が広がることもあります。気になる段階で一度診察を受けることをおすすめします。
市販の塗り薬で毛細血管拡張症は治せますか?
毛細血管拡張症そのものを改善させる市販薬は現在のところありません。保湿や日焼け止めで悪化を防ぐことはできますが、拡張した血管を消すことはできません。
毛細血管拡張症と酒さはどう違いますか?
毛細血管拡張症は炎症を伴わず血管が透けて見える状態で、酒さは赤みやほてりに加えて赤いブツブツや膿疱を伴うことがあります。酒さの初期段階は毛細血管の拡張が目立ち、両者は重なる部分もあるため、診断は医師が行います。
何科を受診すればよいですか?
皮膚科または美容皮膚科を受診してください。保険診療と自由診療の両方に対応しているクリニックであれば、症状に応じて治療の選択肢を広く検討できます。
治療した赤みは再発しますか?
治療した血管への効果は続きますが、紫外線・寒暖差・飲酒などの刺激が続けば、新たな毛細血管の拡張が起こる可能性があります。治療後もセルフケアを継続することが大切です。
顔以外の毛細血管拡張症も治療できますか?
症状の部位や状態によって適応が変わります。顔以外の赤みについては、診察のうえで治療方針をご相談ください。
当院は、赤ら顔や酒さの治療経験が豊富です。湿疹や脂漏性皮膚炎、ニキビと間違われて治療が長引いているケースも少なくありません。お顔の赤みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
▶ 酒さ・赤ら顔・毛細血管拡張症の治療はこちら

大西 勝 院長 【記事監修】
大西 勝 院長
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