2019.07.10

「デュピクセント」という新しい治療薬

「新しい治療薬」という選択

※デュピクセントの取扱いは終了致しました。

私たちの皮膚は元々、外からの刺激を跳ね返す
角質層の保護膜であるバリア機能を持っています。

ところが、この角質層がいろいろな理由で壊れ、
バリア機能が低下すると、雑菌やウイルス、
アレルギー肌になる抗原などが入り込んで、
神経が敏感に反応し、アレルギー肌になります。

アトピー性皮膚炎は日常生活だけでなく、
学業や職業にも支障が生じます。

睡眠や性欲などにも影響があるため精神的にも辛い疾患です。

 

そんな辛いアトピー性皮膚炎は治せないと諦めていませんか?

アトピー性皮膚炎の治療にはいくつかの種類がありますが、
中でも最近登場した新しい治療薬がおすすめです。

アトピー性皮膚炎の症状

その治療薬とは、「デュピクセント」という注射薬です。


デュピクセントは2018年1月19日に承認を所得し、
アトピー性皮膚炎の治療薬として、
同年4月23日から治療に使えるようになりました。

 

アトピー性皮膚炎の治療を根底から変えてしまう治療薬で、
「IL-4」と「IL-13」という物質の働きを直接的に抑えることで
かゆみや皮疹などの症状も改善する新しいタイプの薬です。

 


アトピー性皮膚炎を引き起こしているのは、
Th2細胞になります。

そのTh2細胞から分泌されるIL-4、IL-13、IL-5、IL-31などが
皮膚のバリア機能の低下や、炎症を促進して引き起こすことで、
アトピー性皮膚炎が発症します。

 

そこで、デュピクセントでIL-4とIL-13をブロックすることで、
アトピー性皮膚炎の発症や増殖を押さえます。

また、Th2細胞に分化する過程を抑制することも出来ます。

デュピクセントの投与ペース

デュピクセントは注射薬で、
1本に薬剤が300mgが入っています。

これを初回のみ2本を投与し、それ以降は月に2回、
つまり2週間に1回1本を投与します。

注射する部位は、上腕部(二の腕)の外側か、
へそ回り(へそから5㎝)以外の腹部、太ももです。



また、現在は初診時に投与は出来ません

デュピクセントを投与するにはいくつかの条件があるからです。

初診時は、これまでの治療期間や治療内容などを伺って、
症状の程度を割り出さなければいけません。

結果によって、投与できると判断されると、
デュピクセントの投与が可能になり、
次回の受診時に投与になります。

 

デュピクセントの使用条件

デュピクセントを使用するにあたって、
使用条件がいくつかあります。

 

・既存の治療で効果が不十分な中等症~重症の
 成人アトピー性皮膚炎患者様

ステロイド外用やプロトピック軟膏外用で
抑えられている患者様には投与できません。

さらには、免疫抑制剤(ネオーラル)や
ナローバンドUVBを併用することで、
改善している患者様には適応は慎重になると思いますが、
一定の指標をクリアできれば可能となります。

 

・投与は15歳から

小児への適応はなく、現状では
高校生(15歳)以上からの治療になります。

 

・保険適応だが高額治療

治療費は1ヵ月で3割負担の方で、
約4万8,000円ほどかかります。

かなり高額ですが、職場によっては
補助などがある場合がありますので、
確認してみるといいかもしれません。
今後、自己注射が可能になると自己負担を抑えられる予定です。
また、「高額療養費制度」を利用できる場合もありますので、
詳しくは加入している保険会社にお問合せ下さい。

 

・外用治療も併用できる方

注射だけに頼らず、しっかりと外用薬も
続けるようにされています。

しかし、実際はデュピクセントを投与することで、
外用薬がいらなくなるほど効果が高いようです。

 

デュピクセントを投与するには
上記の条件をみたしている必要があります。

条件は少し厳しめですが、
それだけ治療する価値のある画期的な薬剤と言えます。

 

2019年6月から自己注射も認可

今までは通院して病院で投与する必要がありましたが、
2019年6月から自己注射が認められました

そのため、院内での注射ではなく
自宅での治療が可能になりました。

自己注射をするには、
最低2回は院内で指導を受ける必要がありますが、
最大で3ヵ月まで処方してもらえるので、
ハードルがかなり下がったと言えるでしょう。

今まで2週間に1回も通院することが出来なかった方でも、
治療を受けられます。

もちろん今まで通り、
2週間に1回の院内での注射も可能ですので、

自分の続けやすい方を選べます。

 

アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、
一度検討してみてください。


※デュピクセントの取扱いは終了致しました。



 


大西 勝        【記事監修】
大西 勝 院長
医療法人 大美会
大西皮フ科形成外科医院

国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。



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