『尋常性白斑』の分類と治療

お顔や身体に脱色されたような
白抜きのような模様ができてしまう
「尋常性白斑」

尋常性白斑はシミやほくろなど、
色素を作り出すメラノサイトが破壊された、
もしくは機能が停止したことで起こる
完全脱色素斑です。

白斑は、肌の色素が作られなくなっている状態で
メラノサイトという部分に問題がある疾患です。

メラノサイトは皮膚の奥にあり
新しい細胞を生み出す基底層や
毛根付近にある毛母細胞に存在しています。

紫外線から身を守るために存在しており、
ダメージを受けるとメラニンを生成して
色素を発生させ皮膚がんや光老化、
皮膚の荒れを防ごうとします。

このメラノサイトが活動しないと
色素を作ることができず、
肌の色が抜け白くなります。

尋常性白斑の境目はくっきりしていて、
全身どこでも発生します。

そして、尋常性白斑には生まれつきによる先天性白斑と、
出生後何らかの原因で発生する後天性白斑があります。

先天性白斑は、
メラニン色素を合成する遺伝子の変異や
メラノサイト幹細胞の異常など
遺伝子や細胞レベルでの原因が考えられています。

一方、後天的白斑は
化粧品や薬剤などの化学物質によって
メラノサイトが壊されたり、
自己免疫性疾患によりメラノサイトの細胞に
障害が出ることなどが原因として挙げられます。

尋常性白斑は徐々に範囲が広がることはありますが、
感染するものではありません。

白斑の多さには個人差があり
ごく部分的に見られる人から
全身の半分以上に及ぶ人もいます。

似ている症状で間違われやすいのが
老人性白斑や脱色素性母斑です。

老人性白斑は高齢になると
四肢を中心に5mm程度の白斑が多発しますが、
尋常性白斑とは異なり
成長や融合をせず拡大しません。

脱色素性母斑は生まれつき存在し
大きさが変わらないのが特徴です。

尋常性白斑の治療は、
日本皮膚科学会のガイドラインにおいては
紫外線療法が第一選択とされています。

また、外用薬を使ったり
液体窒素を白斑部に当てる冷凍療法などもあります。

当院では主にVTRACを使った中波紫外線療法と、
Vitix(ヴィティックス)という外用薬を使った治療を行っています。

VTRACは、
治療が難しい皮膚の疾患を改善する治療法で、
白斑のある部分に強力な紫外線を照射することで
症状を緩和していきます。

疾患部のみに紫外線を照射できる
強力なマシンを使うため、
従来のマシンの1/180の時間で照射でき
短時間で効率的に治療ができるようになりました。

お顔や手以外の、見えづらい箇所にも
ピンポイントで狙って照射できるため、
小さくてまばらな白斑でも治療可能です。

照射は強力ですが、
ほぼ痛みを感じずに受けていただけるため、
お子様やご年配の患者様も安心して治療できます。

VTRACは一週間に
1、2回程度受けていただくのが目安です。

治療期間は数か月から数年かかる可能性があります。

外用薬のVitixは少なくとも
4ヶ月ほど使い続けていただくと
効果を実感しやすく、
紫外線療法と併せて使うことをおすすめします。

白斑の症状は、
できることなら一日でも早く
周りの肌色と同じ状態に戻したいですよね。

当院では白斑のご相談や治療を行いますので、
お一人で悩まずぜひご相談ください。


【尋常性白斑】
↓詳しくはこちらから↓
https://www.onishiskinclinic.com/hakuhann/index.html

【記事監修】 大西 勝　院長 医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院 国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成９年より大西皮フ科形成外科医院を開業。