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2021.02.10
※デュピクセントの取扱いは終了致しました。
アトピー性皮膚炎は、繰り返されるかゆみと湿疹がほんとうに辛いもの。
お子さんから大人の方まで、たくさんの方が悩んでいる皮膚病です。
従来の塗り薬や飲み薬などの治療は、かゆみなどを緩和させる効果もある反面、
副作用もあり、なかなか長期間使用できないなどの問題点がありました。
そんな中、2018年から使用可能になった「デュピクセント」は、
アレルギーを伝達する物質をブロック、皮疹やかゆみを起こす元を抑える注射薬として注目されています。
保険も適用され、重症の方にも改善が見込まれ、安全性もあるなどメリットもたくさん。
これからアトピー性皮膚炎が起こる原因も含めながら、デュピクセントがどう効果的なのかをご紹介していきましょう。
アトピー性皮膚炎の原因は、皮膚のバリア機能が低下しやすい体質や、
アレルギーを起こしやすいなんらかの要因が考えられています。
バリア機能を失ってしまうと、外からの刺激やダメージを防げないため、
皮膚の内部でTh2細胞という免疫細胞が増加してしまいます。
そしてこのTh2 細胞は、「IL- 4」と「IL-13」というサイトカイン物質を生成します。
サイトカインとは、体内の細胞間での情報伝達を行うタンパク質で、
過剰に増えると炎症を起こして、かゆみを発生させるといわれます。
さらにTh2 細胞が増えると、皮膚のバリア機能を保つために大切な、フィラグリン物質の発生を妨げます。
フィラグリンは、水分を保って肌のバリア機能を正常に働かせるために必要なたんぱく質なのです。
これら負のスパイラルが重なって、アトピー皮膚炎は悪化していきます。
アトピー性皮膚炎の治療の基本は、皮膚のバリア機能を補う治療と、炎症を抑える治療でした。
炎症を鎮静する薬には、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの塗り薬のほか、
抗アレルギー剤や免疫を抑制する、飲み薬がよく使われています。
ただし、ステロイド外用薬は、長く使用すると塗っていた部分の毛細血管が拡張して赤くなり、
免疫抑制剤シクロスポリンは、腎障害や高血圧などに副作用が出現するなど、
長期間の使用には適さないという点があります。
一般的な治療で改善が見られない方に、紫外線をあてる治療方法もありますが、
通院が必要で、長くこの治療を継続した場合の発がん性も指摘されています。
「デュピクセント」とは、アトピー皮膚炎治療のための注射製剤です。
2018年4月から使用できるようになった最新薬で、保険も適用され上腕などに注射することで、
症状を抑えていくというもの。
アトピー性皮膚炎の炎症は、過剰に増えたサイトカインが起こしています。
デュピクセントは、このサイトカインの発生を阻止することができ、炎症を抑えます。
これまで重症の方には、免疫抑制剤の内服や紫外線をあてる方法しか選択肢がなく、
どちらも長期の治療としては適さないものでした。
デュピクセントであれば、これまでの薬とは異なる作用をするため、
副作用も従来の治療と比較してごく軽度といった、画期的な薬なのです。
医師の判断の下、ご自身で注射を行う自己注射も可能です。
通院しなくて良く、費用負担も軽く、お忙しい方もご自身のペースで治療を続けることができます。
注射の形がペンシルタイプになり、注射の箇所に押し当てボタンを押すだけ。
針も見えず怖さを感じすにご自身で注射をすることができます。
アレルギーを伝達する物質をブロック、バリア障害に陥った皮膚に働きアトピー性皮膚炎を治療するのが、デュピクセントです。
2週おきの注射が必要ですが、約4割の方は症状が90%改善し、約7割の方は症状が75%改善したと報告されています。
では、この注射製剤による治療だと、どんな点に優れているのでしょう。
デュピクセントは、炎症を発症させるサイトカインIL-4とIL-13の働きを抑えて、
アレルギー炎症をおさえます。
これまでの治療で効果がなかった方でも、デュピクセントによる治療では症状が抑えられ、
辛い炎症とかゆみの改善が期待できます。
副作用としてはあるのは、皮下注射した部位が、赤くなるなどの注射の反応です。
これまでの塗り薬や内服薬のような副作用はありません。
デュピクセントによる治療は副作用も少ないため、長期的に続けることができます。
治療した後も、良い状態を維持する点にも優れています。
アトピー性皮膚炎は、スキンケアや医療機関で治療を行っても、なかなか治らない方もいらっしゃいました。
2018年に新しい注射製剤「デュピクセント」が登場したことで、
症状が深刻なアトピー性皮膚炎の方にも、改善がみられる治療が可能になりました。
さらに、当初2週間ごとの通院で注射を行っていたのが、現在は医師の判断と指導により、
ご自宅でもご自身で注射ができるようになっております。
自己注射の方法や通院ペースについては、当院で細かくお伝えいたしますので、
その点はご安心いただき、ぜひ一度ご相談にお越しください。
※デュピクセントの取扱いは終了致しました。
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【記事監修】 大西 勝 院長 医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院 国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。 |
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