美容皮膚科、美容外科、皮膚科の違いと選び方

肌トラブルや、なかなか改善しないニキビ、またほくろ・イボの除去をお考えの方で、皮膚科、美容皮膚科、美容外科のどの診療科に行くべきか迷ったことはありませんか？様々な原因で肌トラブルが起きてしまい、クリニックを受診したいと思っていても、どこに行くべきか分からず、悩んだ経験がある方もいるのではないでしょうか。

様々な項目で比較した後に結局どちらを選べば良いかそれぞれの診療科の特性を解説していますので、参考にしてみてください。

治療の目的

美容皮膚科と皮膚科での大きく異なる点は、治療の目的です。

●皮膚科

皮膚科は「病気の治癒」を目的としています。

●美容皮膚科

美容皮膚科は症状の改善に加えて「美しい肌」を目指すことを目的としています。そのため、美容皮膚科では個人のお悩みに対して様々なアプローチをすることができ、美容の観点からきれいな肌を目指すことが可能です。美容皮膚科では自費診療の場合も多いのですが、患者様の肌悩みに寄り添った仕上がりを目指せる施術が行われます。美容に特化して、使用するマシンや、サプリメントや薬の処方など、様々な治療方法が用意してあります。

ニキビ治療を例にすると、ニキビは「尋常性ざ瘡」という疾患ですから、皮膚科で保険の適用で治療が受けられます。
ただ、ニキビが治った後に残った皮膚の赤みや皮膚の凸凹などは疾患にならないので、ニキビ跡をきれいにするのは、美容皮膚科の分野になります。

主な診療内容

●皮膚科

皮膚科では、炎症や痛み、かゆみなどがひどく出ている皮膚疾患に対応していることが多く、病名としてはアトピー性皮膚炎、かぶれ、じんましん、水虫、帯状疱疹、やけどなどが当たります。

●美容皮膚科

一方の美容皮膚科では、シミ、シワ、そばかす、肝斑、毛穴の開き、赤ら顔、ニキビ、ニキビ跡、など肌のお悩み全般を改善し、美肌やアンチエイジングを目指していきます。 美容皮膚科ではサプリメントや薬の処方、使用する機器が美容のために特化しており、肌のお悩みに合わせた様々な治療方法がございます。求めるレベルに応じ、カスタマイズされた治療も行なっています。

治療の目的

●美容外科

美容外科は、美容皮膚科に併設されていることもあるため2つを混同してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

美容外科は形成外科の一つの分野で、「美容整形」の手術を行います。

美容外科は、形成外科の医療技術を使い、「目を大きくしたい」「鼻を高くしたい」などのお顔の造りのお悩みに応える分野です。

美容外科ではメスを用いた外科手術を行い、形を美しくして容姿を整え、外見的なコンプレックスの軽減が目的になります。

●美容皮膚科

一方の美容皮膚科では、先にお伝えしたように、手術を行わないマシンやレーザー照射などの施術で肌の美しさを保つものがほとんど。

失敗のリスクもダウンタイムも少なく美しい状態に近づけます。

主な診療内容

美容外科の代表的な治療には、二重まぶたなどの眼瞼の手術、鼻を高くする隆鼻術や顔や首のたるみを取るフェイスリフト、お腹やヒップ、太ももの脂肪吸引、乳房の形を整える手術、アザを消す手術などがあります。プチ整形といわれるコラーゲン、ヒアルロン酸などの注入も美容外科で行われることもあります。

＜当院の人気治療＞

ご自身の症状やお悩み、求める仕上がりによって医療機関を選ぶのがおすすめですが、特にニキビやほくろ、イボ治療は皮膚科と美容皮膚科のどちらにしようか、悩まれる方が多いのではないでしょうか。

ニキビの治療

炎症が進んで悪化したニキビは、「尋常性ざ瘡」という病名があり、この場合は皮膚科の範囲内です。

一般的に皮膚科では、抗生物質の内服薬や外用薬、ビタミン剤、漢方薬などで治療を行い、炎症が治まれば終了となり、予防やニキビができやすい肌質を改善のための治療は行われません。ただ、大人になってできるニキビは何度も繰り返しできることがあり、一時的な治療では根本からの改善にならないケースも多くなっています。その点、美容皮膚科はケミカルピーリングやレーザー、イオン導入、ビタミンC導入などの治療法の中から最適なものを選び、ニキビ治療を行えます。今できているニキビだけでなく、毛穴ケアからニキビ予防、そして跡が残ってしまったお肌の改善を目指して行きます。

ほくろ・イボの治療

ほくろ・イボは種類もその症状も様々ありますが、ウィルス性などの病的な側面が強く、医療的な治療が必要な場合は皮膚科をおすすめします。そうでないイボやほくろを取り除くのが主な目的で、美容的な場合は美容皮膚科を受診されるのが適しているといえます。

ほくろやイボの除去手術を得意とする皮膚科は、皮膚疾患の実績が多いのですが、再発しないことに重点を置いています。

その点、美容皮膚科は外見の異常を修正することを専門にしています。いくつかの治療法から状態に適した方法を提案してもらえるため、理想の仕上がりの美しさにこだわって治療ができます。傷跡や黒ずみが残らないようにしたいなどの場合は美容皮膚科を受診する方が多いでしょう。

今回は皮膚科、美容皮膚科、美容外科の違いについてご説明をさせていただきました。ご自身にあった診療科を探す際に、少しでも参考にしていただければと思います。

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【記事監修】 大西 勝　院長 医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院 国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成９年より大西皮フ科形成外科医院を開業。