耳介形成(立ち耳・耳垂型など)

耳という部位は、お母さんのおなかの中で胎生4~20週にかけて、複雑な癒合の過程を経て形成されます。その為、先天的な異常が最も表れやすい部位の一つです。
また生まれたばかりの赤ちゃんの耳はとても柔らかい状態にあり、普段の授乳時の向きや寝るクセなどで後天的に変形してしまうこともあります。
変形が軽度の場合は気がつかないことも多く、成長してから耳の形が変だなと気が付く方もいます。
特に耳の変形は生後すぐの軟骨の軟らかい時期に少しでも早いうちから治療を始める事で、治りも早く治療の負担も軽くなります。

耳の名称

耳の名称

外耳疾患について

立ち耳

耳介(外に張り出している部分)は、頭との角度が20~30度となっていることが一般的とされています。
それ以上立っていても異常ではありませんし、日常生活においては影響はありません。しかし程度が著しい場合には見た目の問題から治療対象となります。 生後すぐの軟骨の軟らかい時期であればテープ固定を1、2ヶ月しているだけで治ることが多いです。
それ以降は手術が必要となります。手術となった場合は、対耳輪形成と耳甲介側頭縫合で全体のバランスをみながら形成します。 局所麻酔を使用した日帰り手術です。耳の裏側からの手術ですので、キズ跡はわからなくなります。
保険適応の治療となります。

副耳(ふくじ)

生まれつきみられる耳の前の、イボのような突起物です。多くの場合、突起の中には軟骨が含まれています。
まれに頬や首のあたりにできる場合もあります。
約1/100~200人の割合で発症し、遺伝性はありません。
治療は生後3、4ヶ月で行います。数分で終わってしまうような簡単な局所麻酔の手術です。 しかし2~5歳になってしまうと局所麻酔で手術を行うことは難しく、生後すぐの治療期間を逃すと6歳以降となってしまいます。
副耳の根元を糸でしばる「結紮術」が行われることもありますが、かえって強い痛みを伴うのと、中に残った軟骨がイボ状に残りますので、結紮術はおすすめできません。 保険適応の治療となります。

耳瘻孔(じろうこう)

耳介の周りに穴が開いていれば、まず本疾患が疑われます。先天性の疾患で、約1/20人と発生頻度が高いのも特徴です。
皮膚の孔(瘻孔)は非常に深かったり、複雑に分岐していたりするものもあり、治療が難しい場合もあります。
耳瘻孔があっても何も問題なく過ごせることもありますが、時に感染を起こして化膿したり、皮下の膿瘍がつぶれて膿んでしまったりすることもあります。膿んでしまった場合抗生剤などで一旦落ち着きますが、再発する可能性が高いため手術で摘出した方がいいでしょう。繰り返し感染してしまうと、手術が困難になってしまうため早めに予防的に切除するのが望ましいです。
手術以外の具体的な治療方法はありません。手術によって瘻孔の完全摘出を行います。
保険適応の治療となります。

耳垂裂(じすいれつ)

耳垂裂は耳たぶが分裂している疾患です。縦や横方向の分裂、混在した分裂もあります。先天性と後天性、主に最近ではピアスで耳たぶが裂けてしまった外傷性耳垂裂も多く見受けられます。
治療方法としては、手術によって裂けている耳たぶを癒合させます。(単純に縫合すると凹みが残るためZ形成術などを用います。)保険適応の治療となります。

耳垂裂の治療の流れ

局所麻酔で片側約30分の手術で、1週間後に抜糸、キズ跡はほとんど目立たなくなります。

埋没耳(耳輪埋没症)

埋没耳は、耳介上部が皮膚の下に埋没してしまった状態のものを呼びます。約1/400人の発生頻度で、その内30-40%ほどは両耳が埋没してしまっています。 日常生活においては、眼鏡がかけられなかったり、マスクが着けられなかったりなどの影響があります。 治療方法としては、 耳の軟骨や皮膚が軟らかい生後すぐであれば、専用の器具を使って矯正して治すことができます。(生後数ヶ月までに試みるのが重要)

装具について

矯正治療で治れば手術をしなくて済みますので体への負担も軽くなります。また手術を行うことになったとしても、矯正箇所の皮膚が伸びやすくなるため将来的に手術がスムーズに行いやすくなります。
手術の場合、局所麻酔で行える就学前の6~7歳で行う場合がほとんどです。耳の上や後ろ側の皮膚を用いて、埋没した耳を引き出します。
保険適応の治療となります。

赤ちゃんの埋没耳

(生後すぐであれば、たった1週間でこれくらい治ります)

耳介血腫

耳介は音を集める機能を持つ上で、立体的な構造をしています。 その形は耳介軟骨という軟骨が内側にあることで維持されています。
しかしその構造は薄いため、強い衝撃がかかってしまうと皮膚と耳介軟骨の間に血液が溜まってしまう事(血腫)があります。 早期に血腫を取り除き前後から圧迫することで治すことが出来ますが、遅くなってしまうと血腫が固まってしまい除去することが難しくなります。(単に切開して血を抜くだけでは、すぐに再発してしまいます。)

柔道耳・カリフラワー耳

耳介血腫の早期治療がうまくいかないと、硬い凹凸が残り変形してしまうことがあります。これは血腫が吸収される過程で線維性の瘢痕(ハンコン)や不完全な耳介軟骨に置き換わってしまうために生じます。
治療としては手術が必要となります。局所麻酔下で変形した軟骨や余分に出来てしまった瘢痕、不完全な軟骨組織を形成修復するといった複雑なものになります。
保険適応の治療となります。

耳垂ケロイド

ピアスホールを開けている方で、金属アレルギーや体質、開けた後の感染などが原因となってピアスホールの周りがピンク色の腫瘤を形成してしまうことがあります。
この腫瘤は手術による切除をしても再発する可能性もあり、目立たないものであれば切除はおすすめしません。
しかしとても大きなもので目立つ場合には、手術で腫瘍を小さくした上でステロイドの注射をして目立たなくすることが出来ます。
保険適応の治療となります。

小耳症

小耳症は耳介が全欠損または部分的に欠けてしまっている先天異常の疾患です。発生頻度は約1/10000人で特に男子に多いと言われています。
欠損の他にも耳の穴が小さくすぼまって狭くなってしまったり閉じてしまったりする場合や、他の疾患と合併することも少なくはありません。
治療方法は5~10歳以降に胸の肋軟骨を用いた手術を行い、その後も複数回の手術が必要となります。
保険適応の治療となります。(小耳症の手術はかなり難易度の高い手術となりますので、小耳症を得意とする病院へ紹介します。)

耳たぶ(耳垂)縮小術

耳垂(みみたぶ)が大きい場合、耳たぶの一部を切除することで、キズ跡を目立たせることなく耳たぶを小さくすることが出来ます。保険外となります。
患者様のご希望の耳たぶの大きさや形をお伺いした上でデザインを行います。

耳たぶ縮小術

起こりうるリスク・副作用・・・腫れ、内出血、左右差、傷跡

耳たぶ(耳垂)増大術

耳を大きくする治療として、ヒアルロン酸注入、脂肪注入があります。一般的にヒアルロン酸注入が手軽なため、第1選択肢となることが多いです。

起こりうるリスク・副作用・・・腫れ、内出血、左右差

ピアス穴閉じ

就職を機にピアスの穴を閉じたい、大きなピアスをつけていてピアスの穴が広がった等の理由で、ピアスの穴を閉じる事が出来ます。
通常局所麻酔にてキズ跡、耳垂の変形を最小限に形成手術します。
保険外となります。

起こりうるリスク・副作用・・・疼痛、内出血、感染、肥厚性瘢痕、瘢痕の開大

料金

■ 立ち耳(保険適応で3割負担の場合)手術 片耳 約¥60,000
■ 副耳(保険適応で3割負担の場合)手術 片耳 約¥7,500
■ 耳瘻孔(保険適応で3割負担の場合)手術 片耳 約¥12,000
■ 耳垂裂(保険適応で3割負担の場合)手術 片耳 約¥30,000
■ 埋没耳(保険適応で3割負担の場合)装具作成 片耳 約¥10,000
手術 片耳 約¥60,000
■ 耳介血腫(保険適応で3割負担の場合)手術 片耳 約¥2,000
■ 柔道耳、カリフラワー耳(保険適応で3割負担の場合)手術 片耳 約¥60,000
■ 耳垂ケロイド(保険適応で3割負担の場合)手術 片耳 約¥6,000~¥12,000
■ 小耳症(保険適応で3割負担の場合) 片耳 約¥40,000
■ 耳たぶ(耳垂)縮小術片耳 ¥88,000
両耳 ¥165,000
■ 耳たぶ(耳垂)増大術ヒアルロン酸注入 0.5cc ¥55,000
脂肪注入 片耳 ¥187,000
■ ピアス穴閉じ2mm未満 ¥33,000
2mm以上5mm未満 ¥55,000
5mm以上10mm未満 ¥88,000
10mm ¥110,000
※保険外治療は「税込表示」となっております。
大西皮フ科形成外科医院 院長 大西 勝

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